幼き衣の強制
強き力を持った不良のリーダーと卑劣な手を使うボスの戦い
有利なのはリーダー…
しかしボスには特殊能力があった!
タグ:TSF 幼児化 AgeR 衣服強制 弱体化 立場改変
⓪
学校を支配する不良集団のリーダー大河は信頼されていた。
高校三年生に似つかわしくない男気溢れる強靭な肉体、堅忍不抜の精神。
自分からは手を出さず、されど仲間の危機には全力で拳を振るう。
仲間想いの男であった。
①
放課後の教室。自分と一年の男数人。
目の前のクソガキに問いかける。
「おめーがうちの舎弟どもを襲ったのか」
「そうだと言ったら?」
手に力を籠める。取り巻きどもが俺を取り囲むように立っている。
好都合だ。全員ぶん殴ってやる。
「最強の男、大河。君の存在は僕にとって邪魔なんだよ」
「黙れ!卑怯者が!」
「楽しかったぜ。必死に君の名前読んじゃってさぁ。たいがーたいがーってな」
「…貴様ら。生きて帰られると思うな」
教室に笑い声が響き渡る。逆鱗を逆なでする不快な声。
大河は激怒していた。
「仲間を巻き込まないために一人で仇討に来てくれると思ったよ。…私の勝ちだ」
「なにをごちゃごちゃと…」
『着替えろ』
握りしめた拳が顔面に叩き込まれる…ことはなかった。
制服のボタンに手をかけ…制服を脱いでいた。
「くそっ!なんだこれは!」
「いくら最強だろうがボスの能力に勝てるわけねぇだろ!」
「どういうことだ!これは貴様らのしわさなのか!答えろ!」
学ランを脱ぎ、ズボンのベルトを抜く。肌着を脱ぐと鍛え上げた筋肉が露出した。
穿いていたトランクスが地面に落下する。
男は、自分の手で素っ裸になってしまっていた。
「何をした!」
「僕には昔から能力があった。一度に一人にしか使えないし効果も回りくどい面倒な力」
「何を…」
「だが、誰も逃れられない無敵の力だ。『他人に服を強制する』能力だ!」
無造作に投げられた袋。その袋には衣類が詰まっていた。
一番上にあったのは…小さなお子様パンツ。ハートのリボンが付いた女児用下着。
両手で下着を掴み…太い足を下着に向かって…
「むりだっ…はいらなっ…⁉」
「どんな服だろうが着せる。無理なら体を捻じ曲げる」
「馬鹿な…ありえない…」
「着用する服に合った姿に変えてしまう」
体がすさまじい勢いで縮んでいく。元の姿なら絶対に入らない衣服。
その小さな服に合うように体が収縮する。男らしさはとっくにない。ぷにっとした子供肌を見せつける。
長くなった髪を揺らしながら頭を通す。スカートが一体型のスモック。
小さな黄色い鞄を肩にかける。黄色の帽子を頭にのせていた。
「一体何が…」
弱弱しい女の子の声。
これは悪い夢でないかと手を動かす。小さなおてては思い通りに動く。
「君の名前は『ひな』ね。いい名前でしょ」
「な…」
「名札にもそう書いてある」
取り付けられた名札には『ひな』の文字。
訳が分からないが馬鹿にされていることだけは理解した。
反射的に名札を引きちぎる…ことはできなかった。
「無駄無駄ぁ!自分の意志で着替えることはできなぁい!」
「くっ…」
名札の上に手を置くことしかできなかった。
最も、力をいれたとしても力無いおててでは引き千切ることなど叶わなかっただろうが…。
「生きて帰れるかだって?生きて帰れるに決まってんだろ!幼稚園児に負けるほど弱くねぇよ!」
「くそっ…覚えてろ…!」
「頑張ってくださいね~まぁ無理だろうけどな!」
体を力無き子供にされてしまった。幼稚園児…それも女の子。
闘志は失っていない。しかし…今は何もできなかった。
③
自宅に帰ってきた。ドアノブに手は届かない。
玄関には手の届く位置にチャイムが設置されていた。
チャイムを押すと弟がドアを開けた。
「ただいま…」
「おかえり兄貴」
どうやら奴の能力は立場すらも書き換えているようだった。
周囲の認識は高三の男であるが、体は3歳の女の子。幼稚園の服の着用を義務づけられたかわいい少女。
身の回りの環境もそれにあったものになっている。
誰も疑問に思わない。
「ほら、兄貴。お着換えするぞ」
「くそっ…」
手を大きく上げ、弟にスモックを脱がされてしまった。
自分以外の人間にお着換えを提案されると…体はそれを受け入れてしまう。
拒むことはできない。
一人では着替えられないので、周囲の人間に着替えさせてもらっている…ということになっているらしい。
弟が持ってきたのはスカート付きのワンピース。お着換えさせるには簡単な服。
あっという間に服を着せられてしまった。
「ほら兄貴。可愛くなっただろう」
「っ…」
鏡に映るその姿、一般的にはかわいいと呼ばれる姿。
体の大きさに対して大きな頭。小さなお口。ぱっちりおめめ。
「こんなことしてる場合じゃないのに…」
「何か言ったか?兄貴。リボンとってくるからちょっと待ってろ」
このお着換えが終了するまでの間体を自由に動かすことはできない。
服の人格に体を乗っ取られているとでもいうべきだろうか。
鏡の前で年相応の少女のようにボーズを決めたり、その場で一回転してスカートを浮かび上がらせる。
今も仲間が襲われているかもしれないのに…一人でファッションショーをしている。
あまりに無力な姿…
「あったぞー。今着けてやるからな」
弟によって胸元にリボンが取り付けられる。
機能性の欠片もない女の子を飾り立てられるだけのリボン。
自分がますます無力になっているような気がした。
④
『兄貴今日来ませんね…もしかして』
『ばかやろう!俺たちが信じないでどうすんだ!』
『そうだそうだ!きっとあいつらを返り討ちにしている最中だ!』
「…だそうですぜ。ボス」
「馬鹿だよねぇ…。自分たちのリーダーの姿が変わっているのにも気が付かないでさぁ…」
「それはボスの能力が無敵だからしょうがないっすよ」
教室で交わされる会話。
教室の中央にはスモック姿の幼女はベビーチェアにすっぽり体を納めていた。
椅子に座りながら足をバタバタさせ、体を揺らしている。必死に抜け出そうとしていたが…椅子を揺らすことさえできていなかった。
「だからもうあきらめろよ。私たちに逆らうことなんてできないんだって」
「くっ…」
朝、家を出た直後、取り巻きの一人から声をかけられた。
『昨日の教室でお着換えさせてあげる』と。
他人からのお着換えを拒めない体は勝手にこの教室に来てしまった。
そしてベビーチェアという檻に囚われてしまった。
「私も暇じゃないんでね。舎弟どもを俺の傘下に加えるように取り計らってくれたらこれ以上は手を出さないぜ」
「黙れ!この『ひな』…たとえ死んでも仲間は売らぬ!」
もはやこの男に勝てないことは理解している。だが…それでも…仲間は売らないと決めていた。
「自分がどうなるのかわかって言ってるのか?もう自覚してんだろぉ…?」
「………」
「私の能力の第二段階は『能力』『自覚している名前』を服装にあった物に変える。もう君は幼稚園児の『ひな』と何も変わらない」
朝起きたら昨日できていたことができなくなっていた。
時計を見ても今が何時かわからなかった。スプーンをグーで握ることしかできなかった。
「まぁひなちゃんが拒否しても無駄なんだけどね」
「何…」
「能力の第三段階は私の誘いを拒否した者に適応できる…全ては計算の内ということさ」
逃げなければ…取り返しがつかなくなってしまう気がした。
しかし…逃れるすべはない。
力もなければ能力もない…弱弱しい女の子の体。
何もできない…
⑤
「ぐぅぅ…くそぉ…こんなの…認めんぞ」
「よく似合ってるよ。ひなちゃん♪」
幼稚園の門の前で歯を噛みしめ、手を握る。
だが…現実は変わらない。
入園式開催の時刻が迫ってくる。
「第三段階は『立場』を服装にあったものに書き換える。君はこれから幼稚園児だ!」
「くっ…」
「元の君は初めから存在していなかったことになる。もう元の君を覚えているのは僕だけ」
「覚えてろよ…絶対に…いつか…」
「大きくなったらってかい?君はもうずっと成長しない。その服がぴったりな幼稚園児のひなちゃんであり続けるんだ」
「………」
「そのうち『好み』までもが服装相応に変化する。自然と幼稚園児としての振舞いが身につくだろう」
「やめろ…」
「服装にふさわしくない行動はできないから心配することはない」
睨みつけて精一杯の抵抗…もできない。
それは幼稚園児の行動としてふさわしくない。
「おや?もう心まで染まりましたか?どうして泣いているんですかぁ?」
「ひっぐっ…くそっ…えぐっ…」
永遠に勝てないって自覚してしまった次の瞬間…涙が勝手に溢れていた。
体が屈辱に耐えられない…涙を止める能力は持ち合わせていない。
「さぁ、入園式のお着換えの時間だ。行ってらっしゃい…そして…さようなら」
「くそっ…やだっ…いやだっ…」
幼稚園の中に足を踏み入れた。
『入園』してしまった。
元最強の男が…完全に幼稚園児になってしまった瞬間であった…
⑥
最初の頃は必死に勉強したりトレーニングした。
しかし無駄だった。
いつまでたっても簡単な事すらできるようにすらならない。
周囲に置いて行かれ続ける毎日。
いつしか周囲の環境を受け入れるようになった。
一緒の組の子と遊ぶことばかり考えてしまう。
「ねっ…ねぇ…ひなと…一緒に遊んで…」
顔を真っ赤にしながらお願いする。
恥ずかしがり屋で気弱な女の子。
「うぅ…」
「恥ずかしがらなくていいよいいよ、ひなちゃん。いいこいいこ」
組で一番小さな背丈。
同じ組の園児から子ども扱いされる。
だが…夢中になって遊んでいる時間…服装相応の行動をしている時間だけは楽しくなれる。
ひなはみんなと遊ぶのが大好きだから…。
「ひなちゃんかわいいー」
「ありがとう…」
しっかりとした意識はある。男だった頃の記憶もある。
だが…服装相応のふるまいをするようになった。
幼い女の子のふりをする毎日。
そうすればみんなと遊ぶことができる。
(くそっ…なんでこんな…楽しいんだ…)
顔を真っ赤にして恥ずかしがりながらも…積み木で遊ぶその手が止まることはなかった。